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 彼らとしばらく会話をしているうちに、ようやく現在と過去の彼らの姿が繋がる。  髪の長いふくよかな女性は白樫美和子。小学校時代は緒方真奈依の親友だったらしい。  ミルキーと呼ばれていた眼鏡のワイシャツ男は西川稔。  ワッキンこと脇田茂とも緒方真奈依が連れてきた二人とも、特別に仲が良かったという記憶はない。ぼくには緒方真奈依に教えられるまで彼らの名前がわからなかったが、彼らは一目でぼくのことがわかったらしい。あの頃と全く変わっていないと笑われた。  そんなはずはないだろうと言い返したけれど、緒方真奈依が「ホントに変わってないよ」と、アルコールのせいか少し赤くなった顔で笑うので、きっと馬鹿にされてるわけではないのだろうと、それ以上に反論するのは止めた。 「そう言えば、カンちゃんは誰が好きだったの?」  ぼくの取り皿に焼けた肉を乗せながら、白樫さんがぼくの顔をじっと見る。 「は? 川内だろ」  なぜかワッキンがそう応え、ぐいっとビールを飲み干した。 「それって五年生のときでしょ? 例の田んぼの事件で終わったんだよね?」  白樫さんはそう言ってから、空になったワッキンのグラスにビールを注いだ。  「田んぼの……て、アレか? カンの呪いで川内が怪我したっていう?」  西川稔が残っていたビールを飲み干すと、グラスを慌てて白樫さんの前に差し出す。
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