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*○*○*
はじめまして工藤 静香です。
今日からここ私立青ヶ峰高校に入学する一年生なんですけど..
「ここどこー..」
迷子です。
「ここの学校広すぎだよ..体育館がわかんないー..」
ぶつぶつ自然と愚痴が出ていました。
「なにぶつぶついってんの?」
「ふぇ!?」
やばい声かけられた!どうしよ!しかも聞かれてた!?
「えと..あのその..た、体育館って..」
わあもう私なに言ってるんだろ恥ずかしい..
「ん?体育館ならここ真っ直ぐいって右にいけばあるよ。」
「そ、そうですか!ありがとうございます!」
「え、ちょ。あーいっちゃった変なやつ。」
一目散に駆け出していた私にその声は届かなかった。
***
「もー遅いよ初日から遅刻ー?」
「ちがうよ!道に迷っただけだってばー。」
「えーこんなおっきいのに普通迷うかなぁ。あんたの方向音痴も大概ね。」
ちょ、ちょっと見逃しちゃっただけだもん....
それにしても、あのひと先輩かな。今日は新入生だけのはずだから部活とか?
そうそうしてるうちに入学式は終わった。
「ねーねー静香ー。部活はなにするのー?」
「バスケに決まってるでしょー?」
そういえば紹介が遅れました。
この子は私の幼馴染の前田夕花。
ちょっとおちゃらけてるけど私の大切な友人です。
「そうよねぇ...うーん...」
夕花が顎に手をやってなにやらうなっている。
なにを考えてるのだろう...
すると、ばっと顔をあげた。
「きめた!私もバスケする!」
「えええええ!どうしたの急に!?」
「私もだらだら過ごしてるだけじゃだめだとおもうんだよねー。」
「め、珍しい....」
「珍しいってなによー静香ー?」
「いたたた!やめてよぉ夕花ー!」
夕花は怒るとすぐに頭をぐりぐりしてくる。
「まったく、静香ったらー。」
「はは、ごめんごめん。さっはやくかえろ?」
体育館をでると大きな桜の木が目に映った。
そういえば、さっきは慌てて気づかなかった。
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