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少し長めの髪をポニーテールにして露になってる首筋に、柔らかい唇を当てられビクンと体が跳ねる。 正面を向かされ見詰め会う二人。 「紗彩矢、大好きだよ。」 夢の中で好きで好きでたまらない彼の甘い囁きに胸は鼓動を早くする。 形のいい唇が近づいて… お願い、覚めないで、覚めないで…と祈りながら目を瞑る。 なのに 無情にも… また目が覚めてしまった。 「やだー、まだ続き見たい。夢男ー。」 そう叫びながら枕に口づけた。 リアルな夢… 首筋に唇の感触がまだ残る気がするのに、やっぱりまた眠りがら引きずり出され、行き場の無くなった胸のトキメキをぶつけるように枕をギューッと抱き締めた。 胸に広がるジリジリした気持ち。お腹空いている時に、目の前にご馳走を並べられてお預けをくらってる気分だ。 満たされないモヤモヤを引き摺って少し早いけど起き上がった。
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