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「紗彩矢、おはよ。」
「おはよう、メグ。」
昨日初めて呼び捨てが出来て、今日は普通にメグって呼べた。
呼び捨てに出来れば自然に敬語もなくなってくる。
不思議だ。今まで緊張しいの私は打ち解けるのにかなり時間がかかっていたのに、呼び捨ての効果かメグの人柄か、彼女を身近に感じる。
まるで前から友達だったかのように違和感無く敬語も取れて打ち解けられている。
中学の私が見たらビックリだけど…
今はそれを喜ぶ気分じゃない。キス出来なかったジレジレの気持ちを今も引きずってるから…
「なーに?浮かない顔して。」
「この頃夢見が悪くて…。」
「ふーん、悪夢でも見るの?」
「え、うーん…
悪夢って訳じゃないけど…
や、その逆?」
「悪夢と逆ならいい夢でしょ?
何でそんなに欲求不満みたいな顔してるの?」
鋭いメグにタジタジだ。私ってそんなに分かりやすいのかと、両手で頬を覆った。
「この頃同じ男の子の夢を見るんだけど…。」
「へー、誰?」
「顔はハッキリしないんだ。」
「紗彩矢は夢の中でその顔の分からない男に何かされてるわけね?なんかエローい。」
「し、失礼な。何にもしてないよ。デートしてるだけ。」
まさかキスされそうになって、最後まで出来なくて欲求不満なんて言えない。
「へー、それって欲求不満の現れなんじゃない?」
「そ、そうかな?」
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