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西暦2036年
以前として世界は平和である。
大きく変化した事と言えば…
「ロボットの普及」
昔は二足歩行で拍手喝采だったが、今やそれは普通。
技術も格段に進歩し、神姫と呼ばれる15cmほどのフィギュアロボが一般的に普及している。
ただ、人間の側で手伝いをするだけじゃなく、神姫同士を対戦させる施設もある為、ゲーム的な要素もある
そう言う二面性から急速に普及したのだが…
「…高いっつの」
決して全然手が届かないと言う値段ではないが、その日暮らしが精一杯の俺にとっては手を出すにはつらい値段である。
「本体だけじゃなくて、武器やら服やら…ある意味、彼女だな…いないけど」
ため息まじりに神姫センターを後にする
神姫センター、神姫の販売やその武装やアクセサリー等も販売している。しかし、そのメインは…
「盛り上がってるなぁ。今日は地区大会だもんなぁ」
神姫同士のバトルがメインである
神姫を持つほとんどのオーナーは、そのバトルに勝つのが目当てで頑張る。時には勝ち時には負け…神姫と一緒に作戦を考えて装備を考え、それが一番の醍醐味である
「が、俺には縁遠い話。社会人になると時間もなくなるし、金ないし。」
独り言を呟いているとセンターの中が一層騒がしくなった
「決着がつきました!優勝者は、大宮誠選手、パートナーは天使型のヴァレスティン!」
「終わったみたいだな…帰ろ」
盛り上がる会場を後にし、夕食の買い出しをすませ家路につく
「…神姫かぁ…」
また独り言を呟く
つい最近までは名前ぐらいしか知らなかったが、ちょっと前に大学で知り合いが連れてきた事から興味を引かれるようになった
「ヲタクのする事だって思ってたけど、普通にお手伝いさんみたいだし、何より…」
立ち止まり深いため息をつきながら
「一人暮らしには最適な相手か…はぁ」
実際、その知り合いも一人暮らしでそれほど目立たない存在だったが、神姫と暮らすようになり明るくなったと言う。神姫もロボとは言え心と感情がある。だから人と話すことも出来るから、コミュニケーションがとれるのである
「もし買うなら何を買おうかな?考えるだけならタダだし」
そんな事を考えながら歩いているとアパートが見えてくる。
4畳半のボロアパート。近くにスーパーもあってボロい事をのぞけば結構住みやすい
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