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木の影に隠れて進んだため上手く気付かれずに近くまで来れた。その時飛龍の足の隙間から少女が木に上半身を預け倒れて居るのが見えた。
まだ生きているらしく、瞳は龍を見つめていた。少女をどう飛龍から助けようかと考えたが一瞬でやめた。
飛龍等に俺は負けるはずがない。そう思っているから。実際彼は飛龍を過去に何度も葬っている。
だが、少女の眼が絶望に満ちたのを見て焦る。
飛龍が火炎を少女に向けて放つ。その攻撃が少女に届く前に何とか間に入ることができ、攻撃を防ぐ事ができた。
「大丈夫か?」
彼は少女に手を伸ばす。
戦いはすでに終わった。飛龍がもう一度火炎を放つ時、そこに向けて銃弾を数発ぶちこんでやると、火炎が弾けその余波で飛龍の頭が吹き飛び絶命した。
少女は、未だに目の前で起こった事が信じられなかった。自分を守ってくれたこと、そして心配し自分に手を伸ばしていることが。
それは今まで、両親以外にされたことが無いものだった。
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