題名一

2/6
前へ
/14ページ
次へ
「起きたか、飯時に起きるなんていい鼻をもってるな」 彼は軽口を言うのに対し彼女は反論しようかと思うが、実際空腹を感じているので何も言えなかった。 「ん?何で涙を目にためてんだ?」 彼女は彼に言われて漸く気付いた。自分の頬が濡れているのを。そして夢を見ていた事を思い出す。 「夢を見ていた」 彼は夢の内容を訪ねた。気になってるみたいだ。 「昔、両親と遊んでいた時の事」 それだけ言ったが後は続かなかった、彼女が泣き出してしまったから。 「もういい、言わなくて」 彼女は両親の事を思い出し泣いてしまった。極力思い出さないように、でも楽しかった日々を忘れないよう生きてきた。 「お母さん.....お父さん.....」 「すまない.....」 彼は目の前の少女を抱き締めてやった。だが両親の温もりと重ねてしまい彼女はただただ泣いてしまう。それでも彼は止めない。彼女に強くなって欲しいから。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加