題名一

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暫く小川を見つめ、二人とも言葉を交わさなかったが突然彼女は言った。 「貴方は強い?」 そんなことを聞かれた。 「あぁ、強いぞ」 自分の腕には自信がある彼。だから言葉には迷いがない、しかし心はとても弱いと感じている。過去を悔い、今も引きずっているから、それは《仕方がない事だった》と片付けれる者も多く居るだろう。逆に彼みたいに引きずるのが珍しいくらいだ。 「なら、私を強くして欲しい。強くならなくちゃいけないから」 彼女は小川を見つめ続けてはいたが、目には覚悟と決意が見て取れた。 「わかった。必ず強くする.....俺よりも」 「ありがとう」 彼も同じ覚悟の目をしたのを彼女はしらない。
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