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「じゃあ、先ずは、長谷川さんの正体を教えて下さい」 「うーん、それはちょっとなー…」 うゆ? 私、確か1分前に『何でも聞いてな』って記憶があるんですが… 頭ぶつけてアホになったかもしれないけど、流石に1分前の事は覚えてるしー… 何なんだ、こいつ! 一瞬、いい人って思ったのを撤回してやる! 「あ、えっとー、高木さんとは、しげさん(奈美の彼氏)と奈美ちゃんと、4人でカラオケ行ったり、しげさん家で遊んだりしてたんだよ。あの時の沙羅ちゃんは可愛かったなー!」 あの時は可愛かった? なんかいちいちチクチクと嫌味を言ってくるなー どうせ今は可愛くないですよーだ! 「んでさー、沙羅…あ、高木さんって、凄く歌が上手くて、俺、沢山リクエストしたんだよー。そうだ、今度、カラオケ行こうよ」 「ちょっ!待って!長谷川さんにとって、私は知り合いだから、何の違和感もないだろうけど、私にとっては初対面であって、いきなりお茶してるのも有り得ない話であって、えっとー………ごめんなさい。無理です」 はぁはぁはぁ… 一気に喋ったら喉乾いた。 アールグレイでも飲んで落ち着くか。 ゴクリ! うゆ? この味、知ってる。 私、やっぱり、ここに誰かと来てる! 国道を走る車を眺め、考える。 誰だろう? とても暖かい記憶………
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