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新入社員の自己紹介も終わり、それぞれ各部署へと散っていった。 沙羅の部署は自社開発したソフトを全国のアルミサッシ業界に販売していた。 なので、全国各地から問い合わせが入ってくる。 関東や関西の人達の言葉は理解しやすかったが、それ以外の地方の人達の方言が曲者で、たまに、何を言っているか解らない。 まあ、2年も経ったので、大体は理解する事が出来ていた。 私の上司は、とても仕事に厳しい人間なので、ちょっとしたミスを犯しても、怒鳴り散らされる。 まあ、自分が悪いのだから仕方が無い… しかし、その上司は、リアルに私の事を好きなのだ。 求婚されるのだ…。 嫌だー! 豊臣秀吉みたいな顔で苦手… お願いします。見つめないでください。 私は1億円くれると言われても、ご辞退させて頂きます。 しかし、この上司は、嫌っているのが分かっている筈なのに、諦めてくれない… 私をツンデレか何かと間違えているのでは? よく、そう思う。 いや、素直に気持ち悪いですから、どうぞ諦めてください。 ただ、この上司、純粋に私の事を好きらしく、全くセクハラはしてこない。 よって、身体的被害は無い。 あー、よかったよかった。 その日も、無事に業務を終え、自宅に帰った。 「ママ~。今日、新入社員入ったんだよ~」 「へぇ~。沙羅が先輩ね~…。大丈夫かしら?」 「がーん…。私って、そんなに頼りない?」 「そうねー。おっちょこちょいだからねー」 「まぁ、否定はしないよ。明日から、雑用の引き継ぎだ!頑張るぞー!」 バカみたいに右腕を高らかに挙げてみた。 むろん、母親は全く無視 勝手にやってろ、バカ娘。とでも思っているのであろう。
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