1。

5/12
前へ
/136ページ
次へ
まあ、多少のすれ違いはあったものの、無事に、雑用の引き継ぎは終わった。 多分……… 暫くは私も手伝うか。 だって、新人さんがミス起こしたら、私の指導ミス!とか言われて、私がロッカー室に呼ばれちゃうからね。 あ、でも、女子社員同士は、一緒に旅行行ったり、勿論、飲みに行ったりしてて、仲はいいんだな。 みんな、公私混同が嫌いなだけで、本当は優しいんだー 私は、そんな先輩達の事が大好きです。 そして、一週間のフォローで、めでたく私の引き継ぎは終わった。 ------------- ------ そんなある日、仕事をしていると、後ろから声を掛けられた 「さ~ら~ちゃん!」 ん? 聞き覚えのない声だ 誰だ? 振り返ってみると、嬉しそうに私を見つめる男性が一人立っていた。 長身で、細身で、笑顔が素敵! すごく人の良さそうな人だ。 しかし…………… 知らない………… 誰だ? 1年程前だろうか? 事故で頭を岩に打ち付け、頭蓋骨骨折の重傷を負い、一部の記憶が無くなってしまっていた私には、こういう事は多々経験せざるを得なかったのである。 私の名前を知ってるって事は知り合い? つか、知り合いが何故会社にいるの? キラキラな瞳で見つめられても困るんだけどなー……… またか……… 何度、過去の記憶が無い事を説明し、粗相の無いように謝罪しただろう? 最近は説明するのも面倒臭くなってるんだよなー…… 仕方ない、また説明するか。
/136ページ

最初のコメントを投稿しよう!

57人が本棚に入れています
本棚に追加