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そりゃあ気になるに決まってるじゃん!
両親や奈美は『時が来れば、自然に記憶戻るって』ってばかり言って、私の過去の話し、全然しないんだよなー。
なんだか無茶苦茶気になってきた…
「なぁ、いいだろう?」
もしかしたら私の過去を教えてくれるんかなー?
まあ、お茶だけならいっかー。
「うん。わかった。お茶だけならいーよー」
「ゥオッシャー!!!」
「ちょっ!声でかすぎ!んじゃ、仕事が終わり次第ロビーに行くね」
「んじゃ後でな」
って…
誰だろう?
あー!もうっ!
でも、誰も教えてくれない私の過去を聞き出せる、いい機会かもしれない
なんだかソワソワしてきた。
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心ここにあらず
私はやるべき仕事をなかば放棄し、就業時間を迎えた。
ロッカールームで着替えを済ませると、足早にロビーへと向かう。
広いロビーには、幾つかのテーブルと椅子が並べられていて、軽いお客様との商談は、ここで行われている。
およよ!
えっとー………
なんちゃらさんが椅子に座って待っているではないかー!
はやっ!
ゆっくり近づき声を掛ける。
「えっとー……(名前忘れた…)あのー、お待たせしましたー」
ペコリと頭を下げる。
「いや、俺も今来たとこ。んじゃ、行こっか」
「はい」
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