1。

7/12
前へ
/136ページ
次へ
そりゃあ気になるに決まってるじゃん! 両親や奈美は『時が来れば、自然に記憶戻るって』ってばかり言って、私の過去の話し、全然しないんだよなー。 なんだか無茶苦茶気になってきた… 「なぁ、いいだろう?」 もしかしたら私の過去を教えてくれるんかなー? まあ、お茶だけならいっかー。 「うん。わかった。お茶だけならいーよー」 「ゥオッシャー!!!」 「ちょっ!声でかすぎ!んじゃ、仕事が終わり次第ロビーに行くね」 「んじゃ後でな」 って… 誰だろう? あー!もうっ! でも、誰も教えてくれない私の過去を聞き出せる、いい機会かもしれない なんだかソワソワしてきた。 ------------ ------ 心ここにあらず 私はやるべき仕事をなかば放棄し、就業時間を迎えた。 ロッカールームで着替えを済ませると、足早にロビーへと向かう。 広いロビーには、幾つかのテーブルと椅子が並べられていて、軽いお客様との商談は、ここで行われている。 およよ! えっとー……… なんちゃらさんが椅子に座って待っているではないかー! はやっ! ゆっくり近づき声を掛ける。 「えっとー……(名前忘れた…)あのー、お待たせしましたー」 ペコリと頭を下げる。 「いや、俺も今来たとこ。んじゃ、行こっか」 「はい」
/136ページ

最初のコメントを投稿しよう!

57人が本棚に入れています
本棚に追加