1。

9/12
前へ
/136ページ
次へ
「あのー、初対面だし、名前で呼ぶのやめてもらってもいい?」 「ん?俺、初対面じゃないし、沙羅ちゃんの事、よく知ってるよ」 よく知ってる? なんかムカつく! 別に鼻につく言い方しなくても… うううっ! 言い返したいけど、機嫌損ねられたら教えてくれないかもしれないし 我慢だよ、私! 「あのー……。私の事、教えてくれるんですか?」 「勿論!」 「まずー…………、えっとー………。ごめんなさい、名前忘れた…」 「俺、長谷川亮。昔のあだ名はグン」 は? なぜに昼間と全く同じ台詞? どこぞかの使い回し? まあ、いいや 「えとー、まずー、長谷川さんは、私とどういう関係だったの?」 「ん?俺?、奈美ちゃんの彼氏の友達でー、沙羅ちゃんと何度も遊んだんだよ」 うげっ! 私ったら、こんなイケメンと遊んでたのか? なんら? もしかして彼氏だったとか? つか、奈美の野郎め! 自分の彼氏の話しはよくするくせに、この人の事を消去して話してたな! 今度、100叩きの刑にしてやる! 「うーん、全然覚えてないんだけど、もしかして………、私の彼氏だったとか?」 「ははっ、残念ながら彼氏じゃなかったよ。これから彼氏になるところ!」 「は?やーねー。いきなり何言い出すの?」 新手のナンパだ… つか、私、面食いじゃないし 残念ながら落ちませんからー 「俺、至って真面目だよ。この商社に入社しようと思ったのも沙羅ちゃんがキッカケだし」 「は?意味解らない………」 「と、兎に角、名前で呼ぶのはどうかと思うんだけど…」
/136ページ

最初のコメントを投稿しよう!

57人が本棚に入れています
本棚に追加