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ある日俺は
“ヒトキリ オキタ”
に話し掛けた
名前を教えた
世辞を言う人間は、 始めに驚く。 その後憐れみの表情で暫し俺を凝視、 考えが纏まると声色にも憐れみを込めて、 珍しい名前、 他に居ない名前…等と言ってくれるのだが、 こちらはその度却ってゴメンね気遣わせてと思ってしまうのだ。
沖田に名前を教えた。
特に卑下もしないが、 世辞をくれようにも称賛点を極め難いこの際疾(キワド)い命名には、 実の処聞いて鈍引きする人さえ居て…
彼はと言えば『思った事をその儘言っちゃう』んで有名なスットコ野郎でどんなエッジの効いたコメントが飛び出るかと俺はワクワクしていた。
そいつは
顔色も声色も
いつもの儘
驚きも憐れみも
しなかった
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