第1話『クラスメートの暴力女』

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 千野 十也 (せんの とおや) 桜庭台高校2年生で俺の親友の男子。 妹が1人いて、家は千野流古武術の道場をしている。 スポーツ万能で成績優秀。長身でイケメンで学校の…特に女子の人気者である。 普通、十也のような男子が友人だと俺は肩身の狭い思いをするものだが、十也には嫌みなところがまったく無いので気楽な友人関係でいられる。 俺と十也は、ある事があって以来の仲であった。 「そういえば一里ちゃんが来てないな?クラスの友達と一緒なのか?」 「一里は友達と用事を済ませてから来るって言ってたから少し遅れてくるよ。」 「兄に似て妹ちゃんも人気者みたいね。」 十也にはひとつ下の妹がいる。それがさっき会話に出てきた一里(いちり)という子だ。 背は小さいほうだが明るく可愛い子で、学校内では非公認のファンクラブまであるらしい。 桜庭台のみんなの妹とまで呼ばれまるでアイドルのようだ。 そんな子は当然ながら人気者で、クラス以外にも多数の友人を一里ちゃんは持っている。 巴といい十也といい俺の周りは人気者だらけだ。 ……なんだか俺だけが人気ないみたいだな。
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