序章

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「…何気に凄い事言ってるな。」 俺の目から見れば2人共美人だし、身体だってタイプが違うだけで十分魅力的である。 …頭は…分からないけど… その時、制服の裾をくいくいと引っ張る者がいた。 「先輩先輩。あの…一色先輩と姫川先輩はどうして喧嘩してるんですか?」 「う~ん…俺にもよく分からないんだ。」 「そうなんですか?私てっきり殿村先輩を巡っての争いだと思ったんですけど…」 「俺を?無い無い。それは無いよ一里ちゃん。」 「…ホントですかぁ?」 ジト目で見られた。俺を巡ってなんてあるわけないのに… 「…まあ…先輩は鈍感ですからね。仕方ないですよね。」 「え?どゆこと?」 「…さあ?どういう事でしょうね?」 人差し指を口元に当てていたずらっぽく笑う。 …そういえば俺ってよく「鈍感だよね?」って言われている気がする。 そんな事はないと思うのだが… 「あっ!一色先輩達がまた勝負とか言ってますよ?」 「…またか?ホント好きだな。」 「ホント…大好きなんでしょうね。」 「………」 何だろう?今の言葉のニュアンスに少し違和感を感じてしまった。
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