第1話『クラスメートの暴力女』

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「っ!痛てぇ!」 どうやら殴られたようだ。 「あ、起きた。」 目を開けるとそこには女の子が1人立っていた。 美少女だ。 青みがかった黒髪を活発そうなショートにし、その顔には勝ち気そうな瞳と整った小さな口と鼻。 短いスカートから覗く脚はスラリとしていて健康的である。 俺の通う桜庭台高校の制服を着た全体的に活発なイメージを持つ美少女がそこにいた。 俺はこの美少女をよく知っている。 「まったく…手間かけさせないでよね。」 「…おい…巴。」 「ん?」 「ん?じゃねぇよ!お前グーで殴ったろ!」 「あははっ!いいじゃん!それであんたは起きる事ができたわけだし。」 「それにしたってグーで殴るか?一応お前も女なんだから平手ぐらいにしろよ。」 「分かったわよ。次はそうしてあげる。」 「…いや、普通に起こしてくれよ。体を揺さぶるとか。」 人を起こすのに、げんこつを使う女。  一色 巴 (いっしき ともえ) 俺と同じ高校2年生のクラスメートの女子である。
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