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「っ!痛てぇ!」
どうやら殴られたようだ。
「あ、起きた。」
目を開けるとそこには女の子が1人立っていた。
美少女だ。
青みがかった黒髪を活発そうなショートにし、その顔には勝ち気そうな瞳と整った小さな口と鼻。
短いスカートから覗く脚はスラリとしていて健康的である。
俺の通う桜庭台高校の制服を着た全体的に活発なイメージを持つ美少女がそこにいた。
俺はこの美少女をよく知っている。
「まったく…手間かけさせないでよね。」
「…おい…巴。」
「ん?」
「ん?じゃねぇよ!お前グーで殴ったろ!」
「あははっ!いいじゃん!それであんたは起きる事ができたわけだし。」
「それにしたってグーで殴るか?一応お前も女なんだから平手ぐらいにしろよ。」
「分かったわよ。次はそうしてあげる。」
「…いや、普通に起こしてくれよ。体を揺さぶるとか。」
人を起こすのに、げんこつを使う女。
一色 巴
(いっしき ともえ)
俺と同じ高校2年生のクラスメートの女子である。
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