再会-薔薇の刺を抱きしめて-

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男は冷静さを保ったまま、僕に語りかけた。 「実は、この世界に終わりが来ようとしている。侵略者が現われたのだ!」 僕は返した。 「アホなことを言うな! 侵略者だと?どうもうさんくさい!本当の事を言えよ!」 男は続ける。 「まぁいい!話したところで理解しないだろうしな。では本題にいかせてもらう」 僕は返す 「勝手に決められちゃ困るねー!まだおれは何も知らないんだ!話には順序ってもんがあるだろ!」 男は、少しニヤけた後、続けた。 「ハンドルネーム:リリス。この女を知らないとは言わせないぜ!」 その瞬間、青白い光にまた映像が映る。 一人の女が、真っ白な壁の部屋で鎖につながれて幽閉されている。 「リリス?!」 僕は本能的に叫びをあげた。 彼女とは、二回しか実際には会ったことはない。しかし、毎日、カメラ越しにインターネットを介して普通に会話している。実際には全然会ってないが、一緒に暮らしてるような気分になっていた。 しかし、ここ一週間連絡がなかった。 どうせ、他の男のところに行ったんだろ! と決めつけていた。 しかし、目の前にはリリスが映っている。しかも、リアルタイムにカメラを介してる映像なのか、苦しそうな表情をしたり、縛られて窮屈そうな動き。 痛々しい。 ただそこに尽きた。 そして、今までに味わったことのない正義感みたいなものを僕は抱いていた。 「これはライブなのか?」 僕は男に尋ねた。 すると男は指を鳴らし、同時に映像が消えた。 そして口を開いた。 「もちろん、ライブ映像だ。別に君を無理矢理動かすためにリリスさんを使ったわけではない!これは偶然なんだ。侵略者の手に彼女は堕ちた。そして僕は今、君の目の前にいる。頼むよ!わかってくれ!詳しいことは彼女を迎えに行ってから話す。 今は私の指示にしたがってほしい!時間がないんだ!!」 冷静だった男が初めて口調を荒げた。 僕は、起きてる事を全く理解してないが、何かものすごい危機感を感じていた。 彼女を救いたい気持ちはある。しかし、それ以前に自分が救われたい気持ちもあった。 「どうすればいい?」 僕は言うと、男は少しほっとした様子で語りだした。
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