再会-薔薇の刺を抱きしめて-

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男は、落ち着いた口調で話しだした。 「有楽町にあるカテドラルビルに行ってほしい。 そこのビルの目の前に電話ボックスがある。そこにまず着いたらこちらから連絡する」 こちらから連絡? ますます僕は混乱した。 「常に見張ってる様な言い草だな。一体あんたは何者なんだ?」 僕は問い掛けた。 男は続ける 「とにかく、順を追って話す。今はとにかく早くカテドラルビルに向かってほしい」 そう言い放つと、男は足元からしなやかに消えた。 そして、青白い光も消え、まるで、ディゾルブをかけたように見慣れた部屋の景観に戻った。 T-シャツ ジーパン そして、時計だけはブランドものの65万円の腕時計。 48回払いローンで購入した時計。 この時計をつけるとき、嫌気がさすときもある。 物の価値とはなんだ? 基準とはなんだ? 僕はとにかく起きてることを理解せぬまま、外へ出る準備を急いだ。
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