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ちょうど朝九時半を回ったころ、僕はめずらしく外に出ることになった。
太陽の光を僕は拒む習性がある。
暗い場所が好きだ。
部屋は決して日当たりは悪くない間取りだ。
しかし、僕は窓に常にカーテンを引いてる。
部屋を出て、玄関へ向かう途中、僕は妄想に耽っていた。
……
根底にある、第三者への拒絶。
関わりたくない。
来ないでほしい。
他人を拒絶するほど
自らに快感を感じる時すらある。
同時に僕の中でサディスティックな欲望が膨らみ、ある地点に差し掛かったときに
あふれでる殺意
だが、最近は少しずつ変化が訪れている。
僕を形成する全てに、もし理由があるなら、
人間が、虫を踏み殺すように、僕を一瞬で踏み殺すことができる何者かへ告ぐ。
《僕の中にいる、形成された人格の、一般を保つ僕を消してください。
政治的に飼い馴らされた教育に支配されたあらゆる僕自身、記憶を、全てを消してほしい。》
そして
アンタら、全員まとめて
死んでしまえばいい!!!
……
部屋の玄関に辿り着き、ドアを開けるまでに、僕は得意の妄想にふけっていた。
妄想は最後には、激しく殺意にあふれ、そして泡のように消える。
さぁ、行こうか…
有楽町カテドラルタワーへ。
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