神々の不覚。

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男は語りだした。 「君が住むこの世界は、我々がコンピュータの中で作り出した仮想世界だ!」 僕はただ黙るしかなかった。 理解できない。 男は続ける。 「この世界を管理するコンピュータにウィルスが侵入した。 様々な支障がきたした中、リリスには特殊なエラーが課せられた。、性行為をしたら化け物にとりつかれ、やがてその化け物は変貌するといった悲惨なエラーだ。 原因としては、彼女を構成するプログラムが、ウィルスによりエラーが生じたのだ! ウィルスの送り主は、彼女を化け物にし、世界の破壊を目論んだつもりだったのだろう。 しかし、自滅するのは誤算だったはずだ。 あと、我々があの場所にいたこともな」 なんという話だ! おれ達は、作られた宇宙の住人だったのか! いや、もしかしたら、彼らも誰かに作られてるのかも知れない。 僕は口を開いた。 「要は、そっちの世界の悪趣味な連中が、オタクらのPCをハッキングしたわけだな!よりによって、こっちにもとばっちりが来たと!」 男はうなずいた。 「最初に君に送ったメールのバナー。あれは実は侵略者が我々に送り付けてきたものなんだ。 初めは悪戯だと思っていたが、今このありさまだ。 しかも先程の調べで、侵略者の送り付けたウィルスの中に、人間と同じ姿をし、この世界に住み着いてる連中もいるらしい。これはやっかいだ。 プログラム修正作業中に見つけたウイルスが、どうも池袋西口公園あたりをウロウロしている。ウイルスと言っても人の姿をしてるから断定は難しい。 もしかしたら、あのバナーの映像と、これらウイルスの動きには連動性があるのかもしれないな」 二人の間に深刻な空気が流れた。 男の頭には、自らの事業計画らしいものを守ることしかないのかはわからないが、こっちにしちゃー、世界滅亡の危機だ! 僕は口を開く 「じゃー、とりあえずおれが池袋に行くさ!どうせまた着いたらそちら様も来るんだろ?」 男は苦渋の笑みを浮かべて話しだした。 「いや、システムがかなり不安定なので、しばらく来れないかもな!」 なんだと?!来れない?! おれたちはどうなってしまうのか?! 僕は叫ぶように男に言い放った。 「とりあえずおれは向かう!一か八かだ!そっちもベストを尽くしてくれ。」 僕は言い放つと同時に、部屋を飛び出していた。 こうなったらやけくそだ! 僕は池袋西口公園をめざした。
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