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「ねえ、野村」 彼の声が私を呼んだ。 なんで、私の名前知ってるんだろう。 「なんでって、入学式の時、なんか読んだじゃん。頭いいひと読むの」 「あっ、えーと、そうだね……。よく覚えててくれたね」 「うん。綺麗な声だなーって思って」 そして彼は階段を指さした。 「今から背の高い女来るから、俺いないって言ってね。自然にね。頼んだよ、野村」 そういって彼は傘をさして屋上に出ていった。
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