帝国会社と仲間達

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裏面には会社の場所を知るための地図が載っており、その下には勤務時間や仕事内容、給料が書かれていた。 仕事内容はオールと書かれており、一般の人には理解しがたい記述だった。 「仕事内容がオールってどういう事だよ・・・・・全てってことか?変わった会社もあるもんだな」 英晴は半分飽きれた顔でそう言うが給料を見た瞬間驚愕の表情へと変貌する。 「給料が・・・・1万~30万!?」 英晴は唖然とするがすぐに冷静さを取り戻す。 「どうせ嘘か、危ない仕事だろ」 そう言うものの、英晴は既に気になり始めていた。 「地図を見る限り、チャリで20分程度か」 英晴は行く前提の言葉を発してしまっている。どうやら行く気満々の様子だ。 「電話してみよう」 英晴は携帯を取りだし、チラシに書かれた電話番号を打ち込んだ。 「出るかなぁ」 プルルルルが続くが中々出ない。 出ないのか?電話を切ろうとした瞬間、出た。 「もしもし?」 出ている筈なのに返答が無い。 返答は無いが、誰かと誰かが話し合っている声が聞こえた。 『こんな不味いもん食えねえよ!!』 『それがうまいから食ってんだよ俺は!!』 どうやら口論しているらしい。 『ハンバーガーにピクルスが入ってないってボーカルのいない音楽チームと一緒だぞ!!』 うん、全くもって意味が分からない。 『こんなの食うんだったら焼いてない焼きそば食った方がマシだ!』 『それ、ただのそばじゃねーか!!』 『どうでもいいけど、とりあえずピクルス捨てるわ』 『なにい?!ピクルスを捨てるだって?!お前、腕切り落とされるぞ!!』 誰にだよ・・・・・・ 。 『食えねえもんは食えねえんだよ!!』 『なんだと!!じゃあ食わせてやるよ目瞑れ!』 『やめっやめろ!お願いです本当にやめてくだ・・・・・ああ!!・・・・・プープープープープー』 電話が切れてしまった。どうやらハンバーガーの間に挟まっているピクルスのことで口論していたらしい。 下らねえ・・・・・・ 「これは直接行ってみるしかないな」 英晴は家の敷地内に置いてある自転車に股がり、会社へと向かった。
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