983人が本棚に入れています
本棚に追加
/135ページ
とある城の大広間。
男、女、老人、若者といった、様々な人に囲まれる2人の少年がいた。
「...こっここは、一体?」
1人は困惑した表情を浮かべる顔がとても整った少年。
「......」
1人は何もかもあきらめたと言ったような表情を浮かべた少年。
「おお!彼が勇者様!」
「なんと神々しいお姿!」
「素敵....」
少年達を囲う人々は羨望に満ちた表情を浮かべ、顔が整った少年を見つめている。
「おお、あなたが勇者様ですか!!」
国王と思われる初老の男性は、顔が整った少年のほうを見てそう言った。
「ぼ、僕が勇者!?」
初老の男性の言葉に少年は驚き、周りの人々は歓声を上げる。
「.....」
先ほどから1言も声を上げない少年は、頬を引きつらせ小さくこう呟いた。
「....俺が勇者なんですけど」
最初のコメントを投稿しよう!