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悪夢
私は本を読んでいて気が付いたら寝てしまっていたらしい、そんな私の目覚めは最悪なものだった。
私が机に突っ伏し寝ていると鉄が錆びたような強烈な臭いがした。余りにも臭いが強烈なので私は目を覚ましてしまった。
目を覚ますと廊下の方からずっしりとした重い足音がギシギシと聞こえ、段々その音は大きくなってきた。
そして、その足音は寝室の前で止まり、寝室の扉を突き破り錆びた鉄のような強烈な臭いをまき散らしながら"それ"は、現れた。
"それ"は闇の中でもくっきりと姿が浮かび上る、その姿は一見して人間だが有るべきものがない、そう!頭が無いのだ!そして、口はと言うとそれは手の平についていて赤く唾液で塗れている。
私は直感的にこの名状し難き"それ"は、本を読んだことにより呼び出されたと信じられない理解をした。
私が恐怖に怯え動けないでいる間にも"それ"は近づいてくる、私が二、三秒動けない間に"それ"は目の前まで近づいており、手の平の口が顔に当たる直前に私は窓の方へ飛んだ。
しかし、窓は雨戸まで閉めておりすぐには開けられず、そうこうしている内に"それ"は再び私に近づいて来た。
私は今度は扉の方へ逃げた。そして、必死に逃げた。しかし、ランプを寝室に忘れた為、屋敷中どこも闇である。
私は闇の中を訳も分からず"それ"から逃げた。だが、"それ"はすぐに私を見つけ目の前に現れる。私は、生まれて初めて闇に対し恐怖した。
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