prologue

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 私の名前は、(すがら)執事(バトラー)アンドロイドでございます。  主人である(ぼっ)ちゃまが名付けて下さいました。  私と同種の型は、私が最初であり最後。――世界でたった一体だけ。  そういった意味合いを込めて、坊ちゃまは私に“終わり”という名を付けたのでございます。  終は、この名をとても気に入っております。  さあ、そろそろお昼になります。坊ちゃまがお腹を空かせていることでしょう。私の出番でございます。  早速、事前に準備しておいたお食事を、トレイに乗せて運びましょう。  坊ちゃまは元々お体の弱い方でしたが、この所特に体調が芳しくないようで臥せっておられます。  なので、お食事は直接坊ちゃまのお部屋にお運び致します。  ……おっと、危ない。(つまず)いてしまいました。お食事を乗せたトレイが宙を舞っています。  全身を床に打ち付けてしまいましたが、即座に立ち上がって何とか空中でトレイを受け取りました。お食事は無事です。良かった。  転んだ際に大きな音を立ててしまいましたが、坊ちゃまを驚かせてしまったでしょうか。心配です。
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