prologue

5/7
前へ
/81ページ
次へ
 人気はありません。いつからか、道を歩く人間の姿もアンドロイドの姿すら見掛けなくなってしまいました。  代わりに……居ました。あれです。今回は、二足歩行で全身毛むくじゃらの、猿に似た姿のもののようです。頭に鋭く尖った角が一本、生えています。体長は優に三メートルは超えているでしょうか。  何の獣なのかわかりませんが、人間を見掛けなくなってから、代わりにこういった謎の生物を多く見るようになりました。  これらの獣の姿は、その個体によって全て異なるようです。今対峙している哺乳類のようなものも居れば、恐竜(もど)きのような爬虫類に見えるものも居ます。  他にも翼の生えた鳥類のようなものや、濡れた鱗を有する魚類のようなもの……何でも有りのようです。  一体、何なのでしょう?  とにかく、これらが外の建造物を破壊して回っているのです。たまに坊ちゃまの屋敷にまで押し入ってくる事があります。大変迷惑です。  何が目的なのかもわかりませんが、この生物は、どうやら動くものを攻撃対象と認識する習性があるようです。早速、猿のような一角獣がこちらに狙いを定めました。
/81ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29人が本棚に入れています
本棚に追加