ポンコツと半異形

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 だからさぁ……。翼が大きく成長って、異形化が進むってことだぞ。わかってんのか?  ……わかってないんだろうな。こいつは。 「ぷっ」  知らず、吹き出していた。そんなあたしを執事が心配し出す。 「如何なさいました?」 「何でもねえよ」  あんまりアホな事言うもんだから、呆れを通り越して、可笑しくなった。  この、死刑通知みたいな醜く禍々しい異形の翼を捕まえて、よりによって「素敵」だと?  大きくなったら、空が飛べる? 「そんな事、考えた事もなかったな……」  遠くを見るように呟きを漏らすあたしの顔を、執事はきょとんとした表情で見つめていた。  お前はいいよ。わからなくても。でも、あたしの心は何だか少しだけ軽くなった気がした。 「で? 主様にお伺い立てに行ったんじゃなかったっけ?」  気分を切り替えてあたしが促すと、「そうでした」と、執事が思い出したように手を叩く。……仕草が一々人間くさい。 「主から許可が下りました。雨が止むまでと言わず、未亜様のお気の済むまで、この屋敷でごゆるりとお寛ぎ下さいませ」  随分、太っ腹な主様だな。
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