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メ「何これ……」
少年院の中にカルマと手を繋ぎつつ入れば、建物が欠けているだけでなく、所々赤黒い血のようなものが飛び散ったり、点々とついていたりしている。
カ「血……かァ?」
メ「大量……殺人?」
カ「にしては死体すらねェ……。誰かが運んだにしても、運ぶ跡くらいつくだろォよ。」
メ「じゃあ争っただけの血?」
カ「血かどうかも判断つかねェな。飛び散り方としちゃァ不自然さはないが」
カルマが言うなら間違いはなさそうだ。けど、死体1つなく血らしきものばかりが飛び散るここは、おかしい。
これだけの血ならば1人くらい死体があってもおかしくないし、血じゃないなら、これだけのものを飛び散らす意味がわからない。
「あら……」
「お待ちください!シェルラント様!」
カ「……! 誰だ」
聞こえる声にぼくより先にカルマが振り向く。聞き覚えのある名前に、後に続いて後ろを振り向けば街で離れ別行動をしていた人物たちがそこにいた。
メ「シェルさん、ルアさん……」
ル「ああ、貴方たちでしたか」
シ「私が知らぬ人相手に飛び出すとでも思ったのですか?」
ル「すみません……」
カ「それよりなんでここにいる」
2人して話始める相手に、カルマが面倒そうに話しかける。
シ「聞きたいのはこちらですよ。離れて1日経つか経たないかでまた出会うなどとは思いもしませんでしたし」
メ「その……ケニオさんが死んで………」
シ「まあ、お亡くなりに……?」
カ「とにかくそれで色々あって街にいられなくなったンだよ」
ル「説明する気はないんですか?」
カ「面倒だ」
シ「メルマさん、聞いても?」
メ「うん、えっと……」
聞かれるままにシェルさんとルアさんに今までの出来事を覚えてる限り話す。こんな場所で話すのかと思わなくはないけど、どちらにしろこの街に綺麗な場所はなさそうだから諦めた。
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