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眠くて眠くて寝たはずのぼくはただ真っ暗な場所に立っていた。
ああ、夢だ。なんて結構冷静になれていて、カルマが見えなくても、傍にいると信じられるからこそ不安がない。
安定とした気持ち。全てカルマのおかげだ。少し前のぼくならきっとこの暗闇さえ怖くなる。
でも不安になった時常にカルマはいた。それに、カルマはぼくのほしい言葉を必ずくれる。
もう不安になったりしない。だってぼくが不安になればまた地割れが起きるかもしれない。嵐が来るかもしれない。
何が起こるかわからない状況で、死人が出てもおかしくない。だからぼくはカルマを信じきる。
いつか離れてしまうかもしれないなんて不安になって、死に近づかせるよりも、カルマを信じきって少しでも生きてるカルマの傍にいたいから。
「それでいいんだよ~」
とたんに聞こえてきた言葉は人を変えては声を変える本当の名前のない人だ。
メ「あ……夢にまでこれるの?」
「まぁね~…というか、この姿が本当の僕だから~」
メ「どういう……?」
今、目の前の姿は人の形とはいえ、白くぼんやりとしている。だから本当の姿だと言われてもピンとこない。
「僕はね~実体がないんだ。だから人に乗り移れるんだよ~」
メ「複数の能力があるんじゃ……」
「言わなかったかな?僕は君と同じ能力だよ~」
メ「そうだっけ……」
「そう言われると言ってないような気がしちゃうな~」
メ「ごめんなさい……」
「気にしないで~僕もうろ覚えだし」
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