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メ「あの、ぼくに用があっているんだよね……?」
「まあね~。………とふざけられたらいいんだけど、そうもいかない。」
急に緊張感を持った物言いに、ぼくまで緊張する。
「メルマ様の身体が限界に来ています」
様付けとか丁寧な物言いとか気にせず、耳を傾けてみればぼくの身体のことについてで何が限界なのかと首を傾げる。
メ「限界って……?」
「意味なく睡眠を欲するくらいに世界が壊れかけ、メルマ様の身体に負担を与えているんです。これでは心が安定しても間に合いません。」
メ「そんな……一体どうすれば……」
「世界存続のためにできることが1つあります。あまりにも危険を伴うため、あの方も黙っておいででしたが………聞きますか?」
メ「あの、あの方って……?」
「人間でいう神様です。今から魂だけでなら会うことが可能です。貴方様の側近も連れてはいけますが、メルマ様の器を守っていただきたいですからね。神の欠片と一緒に」
メ「側近……?神の欠片……?」
「ああ、すみません。側近はカルマという人物、神の欠片はシェルラントという人物を指しています。」
いつも側にいてくれるカルマが側近なのはまだ理解できるけど………。
メ「神の欠片って……?」
「人間でいうコピー能力者は神自身が己の力を制御させるために、自分と波長の合う魂の1つが転生を繰り返す度に、神の力を一部分吸いとらせてできるものなんです。だから完璧に近い存在になれる。しかしながら、その神の力に耐えられない人の身体はメンタル面に影響が及び、自然と弱点ができてしまうんですよ。」
メ「そうだったんだ……」
「とにかくお話はこれくらいにして、どうされますか?神に会いますか?会いませんか?」
メ「神に会うことでぼくや周りに影響は与えない?」
「そうですね……神は完璧を通り越した存在。そのために、神は己の力を制御しきれない時がやってくるほど。なので、世界と繋がるメルマ様も恐らくは波長の合う魂の可能性が高いです。ですから、神自身が貴方に神の力を吸いとらせてしまう可能性があります。」
メ「でも、波長の合う魂は1つだけなんじゃ……」
「1つしか見つかってないというだけです。神と波長の合う魂はそれだけに少ない。ですから、シェルラントという人物は稀なる魂であり、神の子供と言ってもいいでしょう」
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