謎と疑い

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-by.ロア- 力を強く持つ神は、その力を余らせないために、世界を作り、生きる者の形を作り、魂を作った。 どの世界の生きるためにそれぞれの文化を気づきあげ、幸あり、不幸ありの世界が永久に続くと信じられていた。 しかし、世界1つだけでは、神の力に耐えきれず滅びを迎え始める。しかし、生きる文化が大きく違う世界たちを融合させるなど今更できるはずもない。 神は焦った。下手をすれば、世界の崩壊と共に自身の力が戻る可能性があるからだ。あまりに大きな力は神さえも蝕む。 神は考えた、どうすればよいか……。そして考え付いたのが、世界と1つの魂を結ばせること。 それにより、世界の多大な力はその魂に注がれ、その魂は消滅するか、もしくは魂の強さでどこかの世界で転生するだろうと神は考えたのだ。 だが、またここで問題が起こる。魂と世界を結ぶ結び目がないことだ。ならばと作り出したのは世界樹。世界樹は世界の剥き出した魂として作り上げた。 これで結ぶことができるとされた。しかし、力に耐えきれず魂は消えた。滅びかけた世界の力に耐えきれなかったのだ。 どうすればいいのか、考え付いたものは多少の力のある魂を見極めて、滅びかけた力を少しずつ流すことだった。これは後に能力と呼ばれる。 これにより一時的に滅びは免れるも、また次が来る。神は次こそ1つの魂と世界を繋げることに成功した。だが、その魂は力に耐えきって生きる形となるものの、世界と繋がっているという記憶だけはどうしても持たせられなかった。この者を後に光の者とした。 世界崩壊を免れるためにしたことは力を戻さないためでもあるが、神自身己が作った世界に愛が芽生えていた。救いたい。その一心で世界の魂を導くための知識ある魂を神は作り出す。これを後に古の者とした。 それだけでは不安と神に従う者は見守り役として、時にアドバイス役として地に降り立った。後に、神に遣える者である。 崩壊までに準備は全て整ったように思えたが、邪魔する者が現れた。それは、光の者が力に耐えきるために溢した力の欠片。そして、悪の心そのものだった。 世界の記憶を全て持ち、ただただ世界の崩壊を企む者、後に影の者とされた。
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