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-by.メルマ-
カ「メルマァ……呼んだか?」
メ「カル……マ」
どうしたらいいかわからない追い込まれる状況に現れたのは求めてやまなかったカルマ。ただそこにいるだけで多大な安心感が押し寄せる。もう大丈夫だと。
頼りっきりなんて情けないけれど、ぼくはまだまだ子供なんだと甘えてしまうのは、カルマが甘やかすのが上手なんだと思う。
神「……記憶が戻ったのですね」
カ「お陰様でなァ……で?メルマを神にさせようとどれだけメルマを追い込みやがった?あんまナメた真似すンじゃねェ」
記憶とは何かカルマは忘れていたことがあったんだろうか?よくわからないけど、カルマがぼくを案じてくれているのはわかる。それも神様相手に。
神「影が何を言おうと、その子には神になってもらわなければならない。それだけの力はあるのですから」
カ「テメェの勝手な都合だろォが。全能の神の下にメルマを付き添いさせて、世界への制御を楽にするつもりかァ?ふざけんじゃねェ……。テメェが作った世界くらいテメェで責任とりやがれ。世界の次は神の牢獄へ入れる気か」
メ「牢獄……?」
カルマは一体何を……。
神「牢獄なんてなんと酷い言い方でしょう……。神の血を持つ者は人を救ってこそです。現に今、その子は世界の人々の命に思い悩んでいたのですから」
カ「そりゃァ、関係のない人間が自分のせいでと感じてる優しいメルマだからなァ」
神「…………」
カ「メルマ、よく聞けェ」
メ「うん」
カ「世界崩壊が始まったのはメルマのせいじゃねェ。人間たちが自らマイナスの感情に晒されて世界の力が暴走した結果だァ。メルマが不安定になるのは、そのせいで、メルマが不安定だからじゃねェ。先に崩壊結果を示したのは人間たちだ。」
メ「ぼくのせい……じゃないの?」
カ「あァ……だからメルマは自分のしたい選択をしろ。結局はどこに行ってもテメェを苦しませる牢獄世界だったんだからなァ……。望むなら次こそ脱獄させてやる」
それは、世界から逃げるということ。神にもなってないぼくやカルマに……
メ「できるの?」
カ「あァ、俺達が望めば簡単になァ」
神「簡単にさせると思いますか?」
カ「してやる。メルマのためならなァ」
ああ、カルマは本気だ。できるんだ。これだからカルマの傍は安心できるんだろうな。今一度それが思い知らされた。
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