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-by.メルマ-
神「ようやく、死にましたか」
メ「………え?」
神様に言われてカルマが死んだのに気づく。見れば目を閉じてぐったりとしていて、見たくないのに目が離せなくて、ぼくはどうしていいのかわからない。
カルマが、死んだ。ぼくのとても大切な人。初めてぼくに優しく接してくれた人。
言葉遣いは悪かったけど、ぼくが甘えるのを許してくれた。それはぼくが存在しててもいい存在なんだと毎回思うことができて、救われたんだ。牢獄に2年近く、脱獄して数日。
まだまだカルマといる時間は足りない。………足りないのに……。
メ「カルマ……ぼくを置いてかないで……っカルマ……っ」
「大丈夫ですよ、メルマ様」
メ「でも……っカルマが……」
カルマがいなきゃ、ぼくは生きることが怖い。
「メルマ様の表情を作るようになったのはカルマ様の存在が現れてからでしたね。大丈夫、カルマ様は貴方を1人にしません。きっと死神になって帰ってきます。」
メ「死神……?」
神「死神になどなれるはずがありません。どうせ、力に耐えきれないのですから」
「普通の神ならそうですが、彼は神でなくとも、神の子の影です。なれる可能性はあります。」
死神って何……?でも、死神になれば、カルマは戻ってくるの?
神「そんなに消え去りたいのですか」
「えぇ、ですから私は、カルマ様の味方につきますよ」
神「………っいくら、貴方がカルマにつこうと離しませんよ」
「あなたが神よりメルマ様が神である方が私には嬉しい。あなたのやり方が私は大嫌いです。……メルマ様、大丈夫ですか?」
メ「う、うん……あの、カルマ……戻ってくるの?」
「死神になれば……。ですが、きっと彼ならなれる。メルマ様を守るために、そして自由にさせるためにね」
神「ならばその目的の人物を殺してしまえば、死神にはなれない。遣いのあなたも私から離れないことでしょう……。メルマ、神にならず、私から遣いを奪う貴方など、魂ごと本当の牢獄へ閉じ込めましょう」
「! 何を………メルマ様はあなたの子供なのですよ!?」
神「子供などどうでもいい……!私は……っ」
【私を孤独にしなかったあなたがいいのに……っ】
メ「読めた……」
神「!」
でも、この感情と言葉………そっか、神様はぼくと同じで寂しいんだ。
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