脱獄恋愛

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メ「神様は人と同じような感情があるんだ。やっぱり親子なんだね。寂しいから、自分の存在を認めてくれた人に依存してしまう。きっとぼくもカルマから嫌われたとしても離れたくないくらいには依存してるから、気持ちはわかるよ」 神「だ、黙りなさい!私は……我は……寂しくなど……ありませんっ!」 メ「神様動揺してるから、心が寂しい寂しいって叫んでるよ。遣い……さん?に見放されて心が悲しんでる。助けてって心が救いを求めてる。」 「メルマ様……?」 メ「ぼく、ずっとなんでこんな能力なんだろうって、自分の能力が大嫌いだった。でも、きっと神様が自分の心をわかってくれる人がほしいと願ってできた能力なんだね。」 神「ち、ちが、我は……わた、し……は」 【私は、全能の神と言われる者、孤独になど負けてはだめだ……だめ、だめだめだめだめだめ……っ】 神様は立場を弁えて全てを否定してきたのかもしれない。感情はあるのに、押し隠して……。 メ「結局ここは神様にとっても牢獄なんだね」 「全て神が作った聖域でもあるのにですか?」 メ「だって何を作っても神様は1人にしかなれないから。遣いさんしか神様にはいないんだよ」 「……私は失敗作ですよ。人になれず、存在を失った魂。それを神が遣いの者として己の魂と結んで私はこうしていくつもの存在体を作れるようになった。」 メ「それでもそれが初めて神様にとって孤独がなくなった瞬間だったんだよ。いくつ世界を作って魂に存在を与えても見ることしかできない。そしてそれから解放されることもない。神様が作る世界は自分がいたい世界なんだよ。世界に崩壊が近づくのは、それを理由に人を呼ぶため。世界と人を結んだのは、自分と似た立場を作りたかったから、でも、全能の神である貴方は満足できなかった。それだけだ。」 神「……っ最初は満足してました。ただ、その度に遣いの心が離れていくのがわかってしまって、私は怖くなりました。でも、神は恐怖など抱いてはいけない。………いてはいけないんです。」 「誰が決めたんですか、そんなことを」 神「神を生んだ人ですよ」 「神を生んだ人……?」 メ「神様のさらに上の人がいるの……?」 神「それが死神。遣いは勘違いしてますが、死神は神ではありません。そして神を殺すためにあるわけでもありません。死神は全てをリセットするためにあるのです。」
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