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カ「ああ、魂を切らせてもらっただけだァ……。あァ、テメェ神の下僕か。テメェの魂も切らせてもらう必要があるなァ。テメェの魂があっちゃ、神がその欠片で生き返っても面倒だからな。」
「……っ………」
【なんで、私は今になって後悔しているんだろうか?】
メ「遣い、さん……」
締め付けられるような悲しい声。そして悔しさの混じったどうしようもない怒り。
遣いさんにとっても神様は大切な存在だったんだ。けど、どこかで間違えてしまった。ただそれだけなのに……死なないとわからないなんて悲しすぎる。
カ「テメェは……さっきの神の子かァ?魂が似てやがる。だが、世界にも繋がってやがるなァ。遣いの後に殺してやるから待ってろ。クク……ッ逃げてもいいぜェ?逃げられねェからなァ」
ああ、遣いさんの心の痛みに感傷していたというのに、カルマがぼくを見て話した瞬間に心が踊った。死んだはずのカルマが、記憶を無くして死神になったはずのカルマが、死神になる前の姿そのものでぼくに話し掛けてくれたから。
メ「ぼくは、カルマに殺されるなら幸せだよ」
本心であり、本音。きっと記憶のないカルマには訳のわからない奴に見えるだろうけど、ぼくはカルマにされることなら、それが例え“死”を意味しても幸せだ。
カ「カルマだァ……?何を言ってやがる。」
メ「わからなくていい。ぼくがわかってるから。でも死んだら、カルマに会えなくなるのは嫌だな……」
カ「………魂を切るンだ。死ぬのとは訳が違う。」
メ「消え去るってこと?」
カ「あァ」
メ「なら、よかった。」
カ「………変な奴だ。とりあえずテメェはさっさと死んでもらうぞ」
「よくも……っよくも神を!」
カ「抵抗なんざしても無駄だァ」
【死神のことは全く理解できてなかったが、力全てを使えば太刀打ちできないわけじゃないっ!】
これはまた遣いさんの声。気のせいかもしれないけど、嫌な感じがする。死神は全ての決定権があるくらいに力があるとは知ったけど、死なないかなんてわからない。
また、カルマが目の前で消えるなんて、ぼくは…………嫌だ!
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