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-by.カルマ-
「喰らえ……っ!ぐ……っ」
カ「!」
油断した、まさか神の遣いごときにこんな光の力があるなんざ思ってなかった。ただでは済まねェが、少し他の神の始末が遅れるだけだ。しっかり受け止める以外方法はねェ。このボール型のでっかい光を避けたところでついてくるタイプだろォからな。
空中に逃げれば、ふんばりが効かねェ分、ただじゃ済まねェ。
メ「カルマ!」
カ「!」
メ「あぁああぁぁっ」
これは、ただの光のボールじゃねェ……っ縛りのボールか。
カ「遣いごときが、俺の手足を永久に動かせなくする気だったか」
だが、こればかりは危ねェ。まともに受ければ、力が上な分制御は利くが、不自由が生じて隙のできる死神になりそこねるところだった。
だが、コイツは何故俺を庇った。俺はテメェを殺すと言ったばかりだろォが。
カ「……先にこの遣いの始末か」
考えても仕方ねェ……。喰らわなかったにも関わらず、とにかく遣い相手に苛立ちを覚えた。
残念だったなと笑ってやるくらいの余裕がねェ。訳のわからない苛立ちを持ったままに遣いの魂を切れば、力を使いきって、弱々しくも動いていた指も、荒々しい息も止まる。
カ「残りは……」
死にかけだけだと言うのに気が向かねェ。縛りのボールをまともに喰らいやがったせェか、倒れてやがる。恐らく手足に力が入らねェンだろォな。
メ「カルマ……手と足、動かなくなっちゃった」
カ「テメェが勝手に喰らったンだろォが」
メ「うん、痛かったけど、手足に力が抜けていくにつれて痛みも疲れもとれたんだ。不思議だね」
カ「痛みや疲労の感覚さえもとられちまったンだよ。テメェは。」
メ「そっか、感覚とられちゃったんだ……。ねぇ、カルマ……抱っこ」
カ「ふざけてンのか」
死神に抱っこなんざ、コイツはやっぱおかしい。だが、さっさと魂を切れず、話を聞いている俺はもっとおかしい。
コイツは一体なんだってンだ。
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