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メ「抱っこ……してほしいな」
カ「何回言う気だ。テメェは。」
メ「ぼく、カルマが大好き。カルマに甘えるのが一番大好き。だから、だめ……?」
カ「お前の言うカルマは俺か」
メ「うん。カルマ……抱っこ」
カ「………」
俺はおかしい。身体が勝手に動く。なんで言われた通りに俺はコイツを抱っこしている?
メ「よかった……。死神になっても触れる」
カ「………」
何がよかっただ。訳がわからねェ……さっさとあいつらみたいに殺しちまえばいい。手足もぐったりしてどうせ逃げられやしねェ奴だ。簡単にやれる。
なのに…………
メ「カルマ、ありがとう。もう殺していいよ……」
なんで、手が震える。
メ「カルマ……?」
コイツヲコロシタクナイ
メ「泣いてるの……?」
泣く……?俺が?殺したくないという気持ちが、俺を泣かせているのか?
わからねェ。わからねェが、コイツだけは殺したくないと思う俺がいるのはわかる。
魂から見て神の力を持つだけで、まだ神になってねェ。世界との繋がりは俺が切ってやればいい。
次々とコイツを傍に置く考えが浮かぶ。死神が決定権を持つ牢獄の世界。
それがコイツには似合わねェ気がして、牢獄に閉じ込めてしまうのもまた嫌だと思う俺がいる。
カ「どんな世界がほしい?」
気づけば問いかけていた。名前も知らねェ、俺をカルマだと呼ぶソイツ。そのカルマと言う呼び方に心地よさを感じる俺は、もうコイツの虜にでもなっているのだろうか。
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