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カ「愛だと………?……っ……」
メ「カルマ!?」
急に片手で頭を抱えて座り込むカルマを覗き込めば、そこには顔を歪めたカルマがいた。
カ「ああ……っクソ……メルマを……俺はなんで忘れてやがった……!」
メ「カルマ……?」
愛に気づいた瞬間の奇跡
カ「……わりぃなァ……寂しかっただろォ?」
メ「カルマ……っ!カルマ……っ!」
全てを取り戻したカルマがぼくには見える
カ「記憶はなくとも心は覚えてやがった。愛なんざで気づくなんてなァ」
メ「ぼくが……っカルマを疑っていったから……っ」
カ「忘れた俺がわりィンだから気にしてんじゃねェ」
どれもが死神になる前のカルマで、カルマからの愛に気づけたからもういいやと思っていた自分が嘘に思える。
やはりカルマはカルマじゃないとぼくは満足できないみたいだ。記憶も共有できてこそのカルマとぼくの繋がりも確かにあるから。
メ「ぼくね、やっと牢獄から解放されたよ」
カ「あァ?」
メ「だって……カルマがいるから!」
カ「……お前が笑えるなら俺は離れねェよ」
本当の牢獄は自分を否定する鎖に縛られた心。
カルマがいればぼくは自分を好きになれる。心の鎖がなくなった今、それは“恋”によるものであり、真の“愛”に目覚めた瞬間だ。
鎖に繋がれた心から脱獄した先には愛がある。
メ「カルマ、ずっと一緒だよ!」
カ「ククッ悪くねェ提案だ……永久に愛してやるから覚悟してやがれェ」
メ「うん……っ!」
脱獄してまで手に入れた新たな心は、愛に溢れ、また牢獄へいくことはきっとない。
だってぼくは誰よりもカルマが大好きだから……。
そんなぼくはカルマの隣じゃないと笑っていられない。
愛が生んだ奇跡。それを無駄にしないためにも、ぼくは自ら牢獄に閉じ籠ることは決してない。
END
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