心と災害と過去と

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-by.カルマ- 空間から出てみれば地割れのない場所に出られたようだ。だが、生憎大雨。ついさっきメルマが泣いていたせいなのかはわからねェ。 でも世界の異変がメルマの心であるというなら、メルマは今泣きたいほどの不安や悲しみに囚われているってことかァ? メ「…………」 カ「メルマ、風邪引くなよォ」 メ「うん」 俺のせいかもしれない。メルマはわかってやがる。俺がメルマを信じてやれていないことを。 どォすりゃァ俺は信じてやれる?愛とやらの言葉に嘘はねェのに、信じてやることができねェ。 結局は俺も“怖い”のか。信じてしまうことが。信じて裏切られることを想像しちまって………。 あのカルマが怖いなんざ笑っちまうなァ…。本当に。 ぎゅっと強く繋がれた手に目を向ければ泣きそうな顔をしたメルマが写る。 メ「………っ……」 カ「……どォしたァ」 聞かなくてもわかってンのに聞く俺は卑怯なんだろォなァ。こいつは俺の心がわかった上で俺から離れまいとこうしている。 わかってンだ。本当に“怖い”のは“メルマ”だってことはよォ……。 けど、そう思わせるメルマに好意を抱いてンのも嘘じゃねェ。 好きだから、怖い。 愛してしまったから、怖い。 大切な人になったから、怖い。 …………失うのが怖い。 最後に辿り着く怖いは失うこと。俺は弱い。簡単には死なねェ身体ってだけで、強くはねェ。メルマを守る力はこの能力だけじゃ足りなさすぎる。 だから怖ェンだ。俺が弱いせいでメルマを失うンじゃないかと。それは好きになればなるほど思い、愛すればするほどまた想い、大切になればなるほど重いものとなる。 信じられないンじゃねェ。信じたくねェだけだ。メルマを信じてしまえば俺は自分の想いも本当であると信じることになる。 結局俺は……その想いを受け止める覚悟がねェだけの臆病者。偽りのない言葉だけを発しながら心を否定する臆病者だァ。 カ「メルマ……俺はァ……弱ェなァ」 メ「カルマは……強いよ…」 そう言ってくれるメルマが誰よりも強いと俺は思う。
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