手紙

第2章

今日はずっと自習だけで終わりそうだ。あまりのショックで気絶する人が過半数で、残りは探究心で今回の事件に対して推理する人が数名。この数名にあたしが入っている。
そしてとても嫌なことに邑允誓子＆暁嗣兄妹もまたその数人に入っていた。

暁嗣は先程、あたしに嫌味を言った奴だと認識していいわ。誓子は暁嗣の双子の妹。暁嗣ほどツンツンじゃないけど、言う時はバッサリ切り捨てる。それで泣いちゃう子もいるくらい。この兄妹結構強気。おまけに成績もそこそこ良いもんだから、下手に言い返す事が出来ない。
逆手を取るのが上手いんだよな…どういう家庭で育ってきたんだろって思っちゃうくらい、優秀で高飛車で。良いところなんてあっただろうか？
いや、考えないでおこう。考えるだけ無駄な気がするし！

今この場には先生が居ない。なぜここに先生が居ないかと言うと、千代っちや千鶴先生の事件現場に誰か不審者を見かけなかったか？と教職員全員が対象となって取調べを受けているのだ。

その間の生徒と言えば、自習だけでは飽きてしまうのが現状で、探偵気取りで事件のあらましを推理したり、もし狙われるとしたら次は誰が標的となるのか。遊び半分でそんな事が始まっていた。