第2章

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叱る人が居ない為に、その遊び半分で始まった筈なのに、いつしか犯人当てゲームになっていたり。やりたい放題好き放題。 「やだー何コレ?!」 1人の女子が騒ぎ出す。その声に周囲に居たあたしも含めて彼女が言う物に注目する。彼女が手にしていたのは、邑允誓子宛の手紙。その内容にざわめいていたようだ。 「コレ、ヤバいって!何で先生が居た時に言わなかったの?」 まるで信じられないものでも見るかのようにその彼女、堀田知世は言う。 「馬鹿じゃないの。呪いなんて今の世代にあるわけないじゃない。こんなデマに惑わされるなんて、本当にどうしようもない馬鹿ね」 「呪いなんて一言も書いてないじゃん!」 馬鹿だと認定された知世が頬を膨らませて抗議する。 「確かに書いてないけど、こういう類は呪いと一括されているものなの。“もし他の子に渡さなかったら、あなたも一緒に連れて行くから……”なんて呪いの常套句よ。自分が助かりたいが為に同じ内容を他の誰かに書けっていうもの。仮にこれを先生に渡したとして何かが変わる可能性ってあると思って?」
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