第1章

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「だったらなんだって言うのよ」 投げやりに答えてやる。元々ソリが合わないと思っていた人物だが、その言葉使いでさえイライラの八端にもなる。考えているからなんだって言うんだ! 「さっきから上の空だったからな。来週小テストがあるんだ、前田を考えるよりもそっちを優先させた方がいいんじゃないか?」君の成績は中の下ぐらいだったはずだし。 頭に血が上った。そんな言い方しなくてもいいじゃない!! 確かにあたしの学力はクラス全体でみても乏しいものだけど、千代っちを考えるよりも小テストを優先させた方がいいですって?! 「……信じられない。あんた正気で言っているの?クラスメイトだったんだよ?そんなに簡単に割り切れるものなの??」 接触があまり無かったとは言え、クラスメイトをそんな風に言う暁嗣くんに怒りを覚える。そうでなくとも、千代っちは佑くんと同様で盛り上げるセンスを持ち合わせていた。誰とも仲良くできたし、元気がない下級生には寄り添って相談にのる事もあると話してくれた。 そんな優しいあたしの親友を悪く言われて、怒りが収まらない訳が無い。
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