鼓動

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食後、薬を飲ませたあと、一時すれば薬が効いたのか深い眠りに落ちていった。 リビングに戻り、濡れた服を脱衣所に持っていき、濡れた床を拭いて、持ってきたタオルを部屋に持ち帰る。 洗濯機を回したあと、海斗のところに戻って様子を見る。 (呼吸が落ち着いてきた…) さっきより顔色がいいことに気付く。 もう一度熱を計ると、 「38℃…少し下がってる…」 数字を見て、1つ息を吐く。 買ってきた氷で氷水を作り、タオルを浸して固く絞る。 海斗のおでこに乗せると、少し冷たさで動いたけど、直ぐに寝息をたて始めた。 (こんなになるまで落ち込んじゃって…本当にバカなんだから。) 大翔曰く、"特別な人" 何がきっかけでそういう人になれたんだろう?と思ってしまう。 私も全部を知ってる訳じゃないけど、彼女の本心は知っている。 性格を知りながら、それでも甘んじて受け入れる海斗の心情はどんなものなんだろう? (きっとずっと複雑だったはず。風邪と言うより、ショックで熱が上がった感じかもしれない。) 冷たさのなくなったタオルをひっくり返し、温くなったら氷水に入れ、また、冷たいタオルに戻して額につける。 それを明け方まで続けて部屋に一旦戻った。
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