鼓動

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咳はしていないから大丈夫だと思うけど。 一応、歌手なので、喉は守らなきゃ…と、大根のハチミツ漬けを作ってると、大翔からの着信。 『起きてた?』 「はい。大丈夫ですよ。」 『今、マンションの下なんだけど。』 「ホントですか?開けます。」 オートロックを解除して大翔を招き入れる。 「お疲れさまです。今まででしたか?」 「3時頃終わって、仮眠とってきた。…綾瀬ちゃん、もしかして寝てないの?」 「…大丈夫ですよ。今日終われば、明日はオフですからぐっすり眠れます。」 「ゴメンな。無茶言って。海斗は?」 「休んでおられます。熱も、大分引きましたよ。油断大敵ですけど。」 「…それは?」 「あぁ!大根のハチミツ漬けです。喉にいいので、風邪の海斗さんにはいいと思って。」 「…ありがとう。海斗の様子見てくる。」 「私もいきます。」 そう言って、二人で海斗の部屋へ。 「…心配させやがって…」 そう呟いた大翔は少し安堵した様子で。 それを見ながら、額のタオルを氷水につけ、水になった袋を取り出す。 「…大分汗をかいてますね…熱はもう少しで下がると思いますよ。」 「そうか。良かった…」 「あ。ちょっとそのドアを閉めてもらえますか?」 「え?…ああ。」 リビングからの灯りを遮るように、ドアを閉めてもらい、薄暗いオレンジの光でポカリを手にする。 「…海斗?起きて?ちょっとだけこれ飲んでくれる?」 「…ん?…な…に」 「ストローくわえて。たくさん飲んで?」 海斗は、言う通りにして。直ぐに寝息をたて始めた。
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