鼓動

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この人は、凄く一人の女性に対して誠実な人だ。 守るために、相手が女だろうと容赦しない。 海斗はやっぱり尊敬できる。 「俺にしろと言っただろ!どうして理奈に手を出すんだ!」 「…すみません。」 「謝って済むことか!バカかお前は!」 「すみません。」 「海斗!落ち着け。綾瀬は悪くない!」 「落ち着いていられるか!こいつが…こいつは…!」 「海斗!」 「今すぐ消えろ!お前はクビだ!」 「海斗さん。」 感情的になってる海斗に、冷静になって話し掛けると、息を荒立てながら私を見た。 海斗を取り押さえる大翔も。 「…契約書には、3ヵ月更新だとありましたから、後2ヵ月弱は辞められません。それまで我慢してください。 …更新はしませんから。それまでは大翔さんの傍にいさせてください。」 「綾瀬ちゃん!」 「大翔さんとの約束ですから。私も果たしてもらいたい。」 そう言って大翔に笑いかける。 「後は…ご自宅の件ですが。そこまで仰るのならもう顔も見たくないのでしょう?私が隣人だと迷惑だと思います。 でも、これも契約上あなたは引っ越すことができません。…だから、私が引っ越します。」 「引っ越すって…綾瀬ちゃんオーナーだろ?」 「オーナーだから出来るんですよ。」 あの写真は、本当は誰にも見せたくない自分だったのかもしれない。 それを覗いた責任はとる。 そう思って海斗に発言した。 海斗は、目を丸くして私を見ていた。
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