6680人が本棚に入れています
本棚に追加
/535ページ
レッスンが終わり、先輩方のお世話をして、掃除をして、やっと終わった一日。
帰りついて一言。
「んー。大翔さんの言うことも一理あるんだよなぁ…」
マンションのオーナーは、二分される。
1つは、管理を全て任せて、自分は外にいる方法。
これは、結構費用がかかるやり方。
もう1つは、オーナー本人が、そのマンションに住んで、管理会社と共同で見るやり方。
この場合、管理会社は、礼金と諸費以外は受け取らない。
今の私のやり方だ。
まぁ、私がここに住み始めたのが、"家が欲しい"と言ったからで。父は、その家と、これから先の案定収入を提供したに過ぎない。
だから、別にここにずっと住むことはないんだけど、このマンションは住みやすい。
駅も近いし、24時間のスーパーもコンビニも近い。
生活雑貨や、服、鞄、様々な店が徒歩圏内にあり、生活するのに、ここまで便利なマンションはない。
だから、引っ越したくないってのが本音。
「……あ。そうだ!」
ハッと思い出して、ベッドルームの金庫を開ける。
マンションの権利書、土地権利書等、大切なものが保管されている金庫の引き出しの中、カードキーを取り出して、久し振りに上の階へ上がる。
そう。
考えたのは、オーナールーム。
いくらなんでも、一人で住むには大きすぎるため、今までここに住まなかった。
「やっぱり大きすぎる……」
今の私の部屋は、全部合わせれば60㎡ほどの広さになる。
下の階は、私と海斗の2部屋のみ。
つまり、このオーナールームの広さは、120㎡ほどになる。
「…しょうがないか…」
ここには専用エレベーターがあったり、セキュリティーも万全。
外へ行きたいときは、専用エレベーターで降りたら、海斗に会うことはまずないだろう。
元々、隣に住んでいても、顔を会わせることは少なかったし。
「ここにするか。」
オーナールームへの引っ越しを決めた。
最初のコメントを投稿しよう!