6680人が本棚に入れています
本棚に追加
/535ページ
「綾瀬ー。」
「あ。服部。久し振り。」
「今日飲みに行かねぇ?」
「突然だね。コラムやったあとになるから、19時くらいになるよ?」
「いいよいいよ。待っとく。」
政治部の服部。私と同期入社。
久し振り…そうかもしれない。なんせ半年くらい会ってなかった。
服部のいる政治部は、毎日のようにいろんなことが起きるため、そして、最近政治に興味を持ち始める若者が増えたせいか、雑誌の売り上げが良くなってきている部署だ。
日替わりで24時間待機で、常に最新のネタを仕入れるために奔走している。
服部も、例外ではなく、休み返上で毎日のように出勤していると風の噂で聞いていた。
「「お疲れーー。」」
カチン!とグラスを合わせて、1日の疲れをビールで癒していく。
「なんかヤツレたね?」
「本当、政治部に配属決まって、一気に体重激減。ヤバいぜ?あそこ。」
「裏とか知ってるんだ?」
「もう血みどろヘドロ。知れば知るほど知らない方がよかったなんて思う自分に乾杯。」
「苦労してんだ。」
「そう。だから、気分転換に誘ったわけ。」
「加納は?」
「一番に誘ったけど、今日は無理ってさ。あいつも忙しいヤツだな。」
「暇なのは私だけかもね?」
「カメラマンは、それなりに危険だからなぁ。暇くらいあってもいいんじゃねぇの?」
そう。カメラマンは危険。
これはカメラマンの常識だ。
最初のコメントを投稿しよう!