鼓動

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「………ん?」 ブラブラと夜道を帰宅途中、騒音ともとれる女の黄色い叫び声が聞こえてくる。 「…ったく…今何時だと思ってんのよ…」 東京にいると、たまーにこういう場面に出くわす。 本当にたまーに。 どこかの有名人とか、プライベート中に見付かった辺りなんだろう。 「……しょーもない……」 カメラマンと言えど、基本的なものがかけている私。 簡単に言えば"野次馬根性"ってやつ。 お酒も入ってるし、指示されない限り、勤務外の仕事はしたくない。 ……高山海斗のスクープを撮ってやるという例外はひとつだけあるけどね。 「さっさと帰ってお風呂に入りたい。」 歩いて後30分の距離。 お酒を抜く目的で、徒歩で道を歩いていた。 「……って。マジか!」 だんだん近付いてくる黄色い叫び声を不審に思い、チラリと後ろを振り向けば、私に向かって来ている集団。 そのトップには、サングラスと帽子を被った男がいた。 要するに、そいつが有名人。 「もう…来るなよーー!!」 慌てて逃げるように走り出した私。
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