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「何が?」
………ん?
なんか声が聞こえる。
「こっちこっち。」
「……へ?」
辺りを見回しても、トイレの鏡とトイレと洗面台しかない。のに。
「こっちだって。」
ヤバい!
とうとう私にも聞こえるようになったのか?
「上だよ。上。」
「いやいや。惑わされないぞ!幻聴なんて。」
…ちょっと怖いかも。
…さっきの集団もいなくなったことだし。早急にここを立ち去ろう…
「綾瀬ちゃん。上だってば。」
「私の名前知ってる!どうしよう!」
「何が?」
「成仏してくださいよ!なにもしませんから!」
「ブハッッ!!」
……ブハ?
なに笑ってんの?この霊。
勇気を振り絞って見上げてみると。
「………誰ですか。」
見知らぬ怪しい男が女子トイレを上から覗いていた。
夜なのに。サングラス。
アホなんだろうか?
「……変態さん?」
「違う。俺。」
そう言ってサングラスを外したその男。
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